「私は大丈夫」

先日、セッションを受けてくださったSさん、その中でとても興味深いことがあったので、Sさんのご承諾を得てブログでご紹介させていただきます。ありがとうございます、Sさん。

 

Sさんは「すごく楽しいことをしていたら、お母さんにものすごく怒られた。不当な扱いを受けた。」という思いを持ち続けていた思い出がいくつかあるのですが、その中のひとつが、3歳か4歳の頃、大人用の深いプールに飛び込んで水の中を沈んでいくことが楽しかったので、お母さんに怒られても、それがどうして悪いことか全く納得がいかなかったというものでした。

 


「悪気があってやったんじゃないのに怒られた」と親に対して私たちは怒っていることがいくつかあると思うのですが、この例はそんな子供と親の行き違いをとても分かりやすく表しているように思いました。

 


 

underthewater

水の中の静かさ。光の屈折。身体が重さを感じない自由さ。覚えてますか?

Sさんによると、水の中に沈んでいく体験は、とても美しくてキラキラとしていてもうずっとここにいたいなぁと思うほどのものだったそうです。そして、3歳か4歳のSさんにとって、死というものは悪いものではなかったからか、Sさんは「私は大丈夫」だと本当に分かっていたそうです。

 

反してお母様の方は、自分の小さい子供が大人用の深いプールにゆっくりと沈んでいくのを目の前で見ているのですから半狂乱です。もうそれは怒られたそうです。お母様にとっては死はよくないものだという思いがあったと思われます。

 

子供のSさんの立場から見ると、この事件は、「楽しいことをしていたらお母さんにものすごく怒られて、ごめんなさいを強要されたひどい思い出」として残りました。「お母さんは、『私は大丈夫』なのに怒るべきではない」と思うようになりました。

お母さんの立場から見ると、「放っておいたらどんどん危険なことをしにいく我が子、今後危険な目に逢わせないためにきつく叱っておかなければ。」という思いの行動だったのではないかと思います。

 


こうやって両方の立場から見ると、どちらも悪くないことが分かりますよね。でも、私たちは悲しいかな、どちらかの立場にしか立てません。

だから、子供が、「こっちの気持ちも分からずに一方的に自分の考えを押し付けてきて、親って信じられない。私の気持ちをちっとも分かろうとしない。」という思いをもつのは普通ですし、

親が「こんなに何度も叱っているのに、ちっとも分かろうとしない。この子は死の恐怖を知らないに違いない。死がとても悪いものだということを教えなければすぐに死んでしまうだろう。子供だからまだ何も知らないのだ。」という思いを持つのも普通でしょう。

 

どちらも自分の考えを信じていて、どちらもそれに従って行動しただけ。
どちらも悪くない。どちらも正解で、どちらも間違っているとも言えますよね。

 

これを一方の立場だけを信じて、「こっちが正解なんだから、あなたは間違っている!」とやっているのが私たちですね。

 


ワークは、どちらか一方の立場からしか見えていなかった出来事を両方の立場から見れるようになる機会のように思えます。両方の立場に立てるようになる気がします。

 


 

Sさんのケースでは、Sさんは「自分は大丈夫」と思っていて、それが悪かった訳ではないのです。
ただ、お母さんは全然違う観点から見ていただけ。

お母さんは「この子は危ない」と思っていて、それが悪かった訳ではありません。
Sさんは死すら大丈夫だと思っていたので、全く観点が違っただけです。

 

同じ一つの出来事だけど、基本にあるものが違うから、すれ違っただけ。
どちらも今を一生懸命生きただけ。

 

このことに関してなんだか色々思いが浮かんできて、色々とここに書きたかったのですが、とりあえず今日はこんなところです。

 

Sさんはお母さんの気持ちが分かって、お母さんを取り戻したことがとても嬉しそうで、かつ「私、本当は溺れてたかもしれないんだぁ~!」とキラキラとまた嬉しそうに子供のような笑顔を浮かべてセッションを終えられました。

 

水の中のキラキラした感じ。私も少し思い出しました。

今度のビデオイベントで、ビデオ映像はないけれど音声があるので、水の事故で生徒を亡くしてしまった先生のワークをやりたいと思います。ふと思いつきました。

吉田あき

 


2 thoughts on “「私は大丈夫」

  1. 上山園美

    はじめまして ケイティの言葉が大好きで 私も ”I don’t know” is a lot of freedom 常にこんな心持ちでいたい バイロン・ケイティのファンです akiさんのブログに出会えてうれしく ひと言感謝をお伝えしたくメールしました 今後のご活躍を心よりお祈りしています

  2. aki Post author

    園美さんはじめまして。
    コメントありがとうございます。とても嬉しいです。
    ケイティの言葉、ケイティ私も大好きです。またぼちぼち綴っていきます。
    また良かったら遊びにいらしてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)